【レポート】情報科学高校教職員とオートバックスセブンのデザインシンキング研修

8月3日に情報科学高校で教職員を対象にしたデザインシンキング研修がありました。

今回の研修は、先生方がデザインシンキングという課題解決の手法を体験し、新しい授業実践に役立てることを目的としています。

約40名の先生方と学校に常駐している株式会社オートバックスセブンの方々が参加しました。


研修の初めに株式会社オートバックスセブンの柳川詩帆さんからデザインシンキングについての説明がありました。

柳川さんは日頃、生徒の課題研究の授業で、デザインシンキングを実践しています。

デザインシンキング(デザイン思考)とは、問題解決を行うときや何かを開発するときにユーザー中心に考え、ニーズから課題を抜き出し、その課題をもとに解決策を設計していくことだと言われています。

ユーザーの目線で物事を感じる【共感】→解決すべき問題や課題を明確にする【定義】→質より量を重視し、できるだけ多くのアイデアを出す【創出】→アイデアを試作品として形にする【試作】→ユーザーからのフィードバックをもとに改善やブラッシュアップを重ねていく【検証】の順で考えられていきます。

今、この思考がビジネスシーンでとても必要になってきているそうです。


説明後、実際にアイデアソンに取り掛かりました。

テーマは「情報科学高校の入学志望者数を3倍にするには」というものです。短い時間の中で、共感・定義・創出までを行いました。

先生方は8班に分かれて、各班に1人オートバックスセブンの方がファシリテーターとしてつきました。

各班のファシリテーターによって話の進め方が違いました。

最初からペルソナ(ターゲットとなる具体的なユーザー)を設定する班もあれば、情報科学高校の特徴、または学校の課題を先に出してからペルソナを設定する班もあり、進め方は様々でした。

情報科学高校のイメージについて話していた班は、それぞれ思っていることが全然違ったり、別の班ではペルソナの設定が今どきの女の子らしかったりして、見ているだけでとても楽しい気持ちになりました。


発表は時間の関係上、2班しかできませんでしたが、どちらの班も「とても充実した話し合いができたんだろうなぁ」と感じる発表でした。

発表の中にあった情報科学高校のマスコットキャラクターを作るという案は、たくさんの人に学校のことを知ってもらえるきっかけとなるだろうと思いました。


今回、私は先生方がグループになって話し合いをしている様子を初めて見ました。

先生方にもこのような研修があることに驚きましたし、とても不思議だなと感じました。

商業科・工業科・普通科の先生では思っていることや考え方がきっと違うと思います。けれども、このように混ざって研修することで、日頃なかなかできない意見交換や情報共有ができ、それぞれの科目で活かせることなど、いろいろな発見があったのではないかなと思いました。

また、商業・工業関係なく、新しい情報科学高校に変わり始めていることを感じられた研修でした。

私は高校生の頃、先生たちが生徒のため学校のためにしている努力や大変さに気づくことができなかったので、少しでも多くの人にこのレポートを読んでもらい、先生方の行っていることを知ってもらえたらなと思っています。

(公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所 坂口萌々子🍑)