総務省 平成21年度 戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE) 地域ICT振興型研究開発

地域住民の”信頼”と”人間関係”を基盤にした地域防災SNSに関する研究開発

研究開発の概要

SCOPE21 防災SNS

地震や風水害などの自然災害が発生したとき,それぞれの地域社会が,“今,そこで必要な災害情報”を得ることはきわめて困難である。そのため被災者の救助(共助)がうまく行えず,被害が拡大しやすい。また今日の地域社会では人間関係の希薄さから,安全・安心を確保するための心理的サポートを得ることが困難な状況にある。

そこで本研究では,「地域の安全・安心は地域が守る」という考え方を基本に据え,地域住民の人間関係づくりや信頼の醸成を支援し,災害時の救助活動や生活支援に役立つ地域防災SNS(Social Networking Service)システムを開発することを目的とする。

われわれが開発をめざす地域防災SNSシステムは,近年普及しつつあるハンディ・タイプの通信システムを基盤とし,地域住民が日常的に活用できる点に特色がある。この防災SNSシステムは,

  1. 地域住民が平常時から防災情報を共有・更新することによって防災意識を高める
  2. 災害発生時に住民同士の迅速かつ的確な救助活動を支援する
  3. 災害後の復旧活動や心理的ケアを支援する
という3つの支援機能をめざしている。なお,システム試作版の完成後は,オープン・ソース・ソフトウェアで公開しつつ,より実用に耐えるシステムに改版していく。

なお、本研究は、総務省 平成21年度 戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)地域ICT振興型研究開発に採択されたものである。



研究開発期間

平成21年4月~平成23年3月

地域防災SNSのイメージ

SCOPE21 防災SNS

地域防災SNSを構築する前に、大規模災害を想定した予備実験を実施し、以下の示唆を得た。

住民の心理的側面

  • 家族の構成員、持病・職業などは、救助時に役立つ重要な情報である
  • 地震に備えて家族同士が交流したり,情報を共有(化)することは,共助への心理的備え(自信)につながる
  • 家族情報を受動的に共有するよりも,情報交換(交流)を通して共有していくほうが,有効かもしれない

システム構築に関して(災害時)

  • 救助者と被災者を明確にする
  • 要救助者の漏れを防ぐ(安否確認)
  • 混乱した状況を整理する手段が必要
  • キーボード入力を少なくする
  • 災害発生時に一斉に災害モードになるなどの考慮


開発中の地域防災SNSシステム

当初たてた仮説と予備実験の結果を元に、地域防災SNSシステムを構築している。

システム構成

SCOPE21 防災SNS

開発中のiPhoneアプリケーション

SCOPE21 防災SNS SCOPE21 防災SNS SCOPE21 防災SNS


現在の状況

SCOPE21 防災SNS

平成21年3月現在、実証実験が終わり、その結果の解析と評価もほぼ終わろうとしている。

平成22年度の研究課題は、以下の項目を実施する予定である。

  • 「近隣関係→町内会(自治会)」への情報システムの階層化
  • 「町内会⇔行政機関」の情報の取り込みと提供
  • 災害時に停止しないシステムの検討
  • 避難生活における健康管理と心のケア


研究者

研究代表者

凍田 和美
大分県立芸術文化短期大学 情報コミュニケーション学科 教授

研究分担者

菊池 達哉
財団法人ハイパーネットワーク社会研究所 研究企画部長代理
吉山 尚裕
大分県立芸術文化短期大学 情報コミュニケーション学科 教授
柴田 雄企
大分県立芸術文化短期大学 情報コミュニケーション学科 准教授
高橋 雅也
大分県立芸術文化短期大学 情報コミュニケーション学科 講師
竹中 真希子
国立大学法人 大分大学 教育福祉科学部附属教育実践総合センター 准教授
青木 栄二
財団法人ハイパーネットワーク社会研究所 事務局長

報道発表

2009年12月19日 毎日新聞 朝刊
「『ご近所』交流で減災を 芸短大・凍田教授ら 2月に学生と実証実験」の記事が記載されました。
2009年4月4日 大分合同新聞 朝刊
「情報通信技術の研究開発支援 大分大と県立芸文短大 2件の課題を採択」の記事が記載されました。

お問い合わせ先

財団法人ハイパーネットワーク社会研究所 研究企画部
担当: 菊池


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